高い水道料金
TBS 「報道特集NEXT」と「噂の東京マガジン」で
違う地区での 「高い水道料金」が放送されていた
===========
京都府大山崎町。豊富な地下水に恵まれたこの街は、
古くから「名水の里」として知られてきた。
しかし今、この街の住民は悲鳴を上げている。
水道料金が4年前から3割近くも上がってしまったのだ。
水道料金(家庭用・使用水量20立方メートル/月)は大山崎町で4,431円だ。
参考:
山梨・富士河口湖町 700円、大阪市 2,016円、
東京都 2,688円、熊本・上天草市大矢野地区 6,090円
○住民の声
「一月あたり1万円ちょっと要ります。」
水に恵まれた町なのに、なぜ水道料金がこんなに高いのか?
大山崎町では古くから地下水をくみ上げ水道水にしていたが、
水道需要が増えることに備え、
8年前から約40km離れた日吉ダムを水源とする水を買っている。
ダムの建設費や維持費を一部負担するため、年間約2億5,000万円にのぼる。
○京都府大山崎町・真鍋宗平町長
「そもそも水がダムから来てますから、
ダムの建設費がカウントされてその結果として、高い水道代になる。」
もう一つ不思議なことがある。
「名水の里」大山崎町には地下水だけでなく豊かな川が流れている。
なぜこの川から水を取らないのか?
○真鍋町長
「よくそういう声は来ます。しかし水利権はそう単純でない。」
水利権とは、国など管理者の許可を得て水を利用する権利で、
一日に取水できる最大量が決まっている。
大山崎町は、この水利権を全く持っていないため、川から水が取れないのだ。
水道料金高騰におびえる街
ダム建設と直結する水利権が今、日本の行政の大きな問題に浮上している。
淀川の源流、木津川が流れる三重県伊賀市。
伊賀市の上野地区では現在、
木津川から水道用に一日約7,300トンを取水しているが、
これは上流に建設予定の川上ダム建設(総事業費約1,200億円)への
参加を条件に暫定的に認められているものだ。
ダムが完成すると、
伊賀市は木津川から一日3万トン近い水を取れるようになるが、
負担は130億円前後になるとの見通しも出ていて、
大山崎町以上に水道料金が跳ね上がる可能性が出ている。
○NPO法人「伊賀・水と緑の会」・浜田不二子さん
「みんなそういう風に決まったら渋々出すんですかねぇ。
目の前にきれいな水が流れているのに。」
○同・小原善弘さん
「(淀川の)源流の町で水が足らないというのは考えられない。」
実はダムを造らなくても伊賀市が足りない水利権を確保する方法がある。
他の自治体が持つ水利権を譲ってもらう手があるのだ。
三重県伊賀市の隣、名張市にある青連寺ダム。
大阪市が年間9,000万円の維持管理費などを払って
このダムに水利権(9万トン/日)を持っているのだ。
大阪市の水道の使用量は1970年をピークに減り続け、
最近は毎日100万トン近い水余り状態が続いている。
理由は、節水意識の浸透と節水機器の普及だ。
トイレもこの10年で節水が進んだ。
○電器店の店員
「10年前のトイレは1回流すたびに13リットルの水が流れていました。
超節水トイレは一回流す量が半分以下の6リットルになります。」
このため大阪市水道局では、
最も水需要の多い夏場でも余った水を利用して
市内各地でミスト散布を行っているほどだ。
それなら、この余った大阪市の水利権を
伊賀市に譲ればいいのではないか?
そう提案しているのは、国土交通省の諮問機関「淀川水系流域委員会」だ。
○淀川水系流域委員会・宮本博司委員長
「(大阪市で)億の単位の維持費が使われているわけですね。
それを少しでも軽減するということもあるんで。」
委員会の提案によると、大阪市は
青連寺ダムに持つ一日9万トンの水利権のうち3万トンを伊賀市に譲る。
その代わり伊賀市は大阪市が負担している9,000万円の
維持管理費の一部を払うというものだ。大阪市は負担が減り、
伊賀市も安く水を手に入れることができる。
この提案に伊賀市長は…
○伊賀市・今岡睦之市長
「どこの水でなくてはならないとか、そんなんこだわってないですよ。」
そこで委員会は2008年2月、大阪市の平松市長に会い直談判した。
○宮本委員長
「大阪市が琵琶湖、淀川で持ってる水利権。
これはかなり余裕があることはあるんです。
大阪市にとってもメリットある、
伊賀市にとってもメリットある、ということであれば、
我々が最終的に決めることじゃないですけど検討される余地はあるんじゃないか。」
○大阪市・平松邦夫市長
「もちろん…」
○大阪市の水道担当者
「あの私たち水道事業管理者としてね…」
突然、話に割り込んできた大阪市の水道担当者。
あくまで水利権は譲れない、とかたくなな姿勢を示す。
○大阪市水道局・近藤明男局長(当時)
「これから街作り、環境の問題を考えますと、
やっぱり今の水利権そのものは必要だ、というのが
私の、元水道事業管理者としての気持ちです。」
○宮本委員長
「今までの考え方もある程度柔軟に変えないと。
全部大阪市民の問題ですよね。
大阪市役所というのでなく、
大阪市民の立場でお考えされる余地はないのかな?と。」
○平松市長
「水をどうやって安定的に供給すべきかということだけを
考えてきた職員の意見は、やっぱり私にとって非常に大事なものですから。」
徒労に終わった感もある直談判。
大阪市は1%の水利権も譲る考えはないようだ。
○大阪市水道局・速見義一部長(当時)
「これからいろいろな大阪の街の活性化、
そういったものに水は非常に大事な要素ですので、
大阪市としては市民の貴重な財産である経済的な水利権を
自ら手放すということはありません。」
毎日100万トン近い水利権を余らせながら、
なぜわずかな水利権も他の自治体に譲れないのだろうか?
「脱ダム宣言」の田中康夫氏は…
○新党日本・田中康夫代表
「つまり子供が使ってないおもちゃを従兄弟にあげましょうよ、と言うと
『嫌だ』と急に愛おしくなるのと同じような具合でしょ。
なんか自分たちの既得権を侵されると思ってる。
でも実際に使ってないんだから。
その裏で、シメシメ、だからダム造らなきゃ、ウッシッシという人たちがいる。」
もし大阪市が水利権を譲り伊賀市が
新たなダムからの取水を必要としなければ、
川上ダムを造る根拠がなくなってしまうとの指摘もある。
○宮本委員長
「もし全量、(川上ダムの)利水は必要ないということになれば、
水資源機構が川上ダムを造るという法的な根拠はなくなります。」
○記者
「計画は大幅に変更しなければならないのか?」
○宮本委員長
「そういうことになります。」
そうした事情もあってか、
国土交通省は大阪市と伊賀市の水利権のやりとりには否定的だ。
○国土交通省近畿地方整備局・井上智夫河川調査官
「今すぐに水源を転用するということは適切ではないと考えている。
現時点では大阪市も水源を転用する考えがないと聞いていますし。」
許可権限を持ちながら水利権の調整には動かない国土交通省。
元東京都職員でダム問題に詳しい嶋津暉之さんは、
権限の集中がダムを生んでいると指摘する。
○水源開発問題全国連絡会・嶋津暉之さん
「水利権(の許可)を国交省だけで全部判断するということを
変えなければダメです。
もっと合理的に柔軟に水利権の許可、評価をしなければならない。」
たとえば50年以上前から計画され、
総事業費が史上最高の4,600億円にのぼる群馬県の八ッ場ダム。
まだ着工されていないが、首都圏の自治体は
建設への参加を条件に暫定的に水利権を認められ、水道用水をとっている。
このため、もしダムからの撤退を表明すれば
この取水を止めさせられる恐れがあるため、撤退できないというのだ。
○嶋津さん
「実際は暫定水利権と言っても、
今まで何十年という取水実績があって取水はできるわけです。
できるんだけど、それを(正規の水利権として)認めない。
国交省は水利権許可権限を使って、
八ッ場ダムに参加しなきゃならないという状況を作り上げている。」
今、淀川水系流域委員会は自治体同士が
水利権の調整を行う「利水者会議」を提案している。実現すれば全国初だ。
○宮本委員長
「自治体だとか水を使っているところ、
それが一堂に会してそれぞれが今の状況を交換しあって、
ここだったらこういう風に水融通できるな、とかありえますから。
平常時からそういう会議をやったら、
もう少し合理的に水融通ができるんじゃないか。」
長きにわたってダムを生み続けた水利権。
その流れを堰き止める時期が来ているようだ。
なぜ高い!水道料金 | 報道特集NEXT
同じ町内なのに、水道料金が2倍も高い現場があった。
その現場は、静岡県・伊豆半島の玄関口、函南町(かんなみちょう)の
山の中腹に広がる住宅地。
38年前から別荘地として売り出され、今は2500棟が建ち、
約700世帯、1500人が町民として暮らしている。
住民たちは
「別荘族でたまにここに遊びに来てという生活だったら、
高くても、納得できる。
でも、ここに住んで、住民税や固定資産税も同じように払っているのに、
ほかの地域の町民より水道料金が高いのは不公平だ」
「冷たい町だなと思う」と訴えている。
この住宅地は、
町営の簡易水道(計画給水人口が101人以上5000人以下)で
基本料金(20立方メートルまで)は、
2か月で4000円、超過料金(1立方メートルにつき)も一律220円。
ところが、同じ町営の上水道(計画給水人口5001人以上)の
基本料金は1760円、超過料金も95-115円。
同じ町営の水道なのに、簡易水道は、約2・3倍も高い計算だ。
ある男性は
「2か月で1万8000円前後払っている。
毎日水をやらないといけないバラに我慢してもらっている」といい、
女性は
「洗濯機を節水タイプに替えても、安くできたのは、2か月で2000円ぐらい。
雨水をためて、花の水やりをする」と話す。
毎日、使う水道水だけに、料金の違いは、バカにならない。
同じ町営で、同じ町民が使う水道なのに、
なぜ、料金に、これほど格差があるのか。
静岡県内には、環境省の名水百選にも認定されている
柿田川湧水群があり、料金の高い水道水は、
この柿田川の水を水源にしていて、
ある住民は「名水だから、仕方がないと思っていた」という。
しかし、実は、柿田川の水は水でも、
「駿豆(すんず)水道」という県の供給水。
しかも、駿豆水道の水は、周辺のほかの市町村の水道水に使われ、
さらに、同じ函南町内で料金の安い上水道の一部にも。
名水だから、高いわけではなく、この住宅地だけが高いのだ。
水道水が高い住宅地に住む元函南町議の県会議員は、
「町が30年前、県の水を買う時に取り決めた
責任水量(水を使っても使わなくても引き取らなければいけない量)が、
高くなっている一番の理由」と分析。
当時の利用者の使用量の約10倍もの量を割り当てたというのだ。
県に払っている受水費は、昨年度約5400万円。
そんな中、配水量の5割近くが、水道管の破損などで漏水し、
たれ流し状態だが、住宅地にまでくみ上げるポンプの電気料金にも、
年間約1000万円かかるなど、受益者が負担しなければならない費用が、
かさんでいるという。
「上水道と統合するのが一番いい解決策。統合で、
特別なコストが発生することはない」と指摘する。
こうした指摘に対し、町の水道課は
水道事業は特別会計を組んで、独立採算制で事業運営されているので、
料金格差については仕方がない。
町内には、安い料金設定の町営、民営の簡易水道があり、
それらを同じ金額にするというのは大変な無理がある」と説明。
「独立採算性」の一点張りで、格差をなくす姿勢はない。
「名水」を飲んで、一息ついて、もう一度考え直す時期ではないのだろうか。
噂の東京マガジン「噂の現場」
違う地区での 「高い水道料金」が放送されていた
===========
京都府大山崎町。豊富な地下水に恵まれたこの街は、
古くから「名水の里」として知られてきた。
しかし今、この街の住民は悲鳴を上げている。
水道料金が4年前から3割近くも上がってしまったのだ。
水道料金(家庭用・使用水量20立方メートル/月)は大山崎町で4,431円だ。
参考:
山梨・富士河口湖町 700円、大阪市 2,016円、
東京都 2,688円、熊本・上天草市大矢野地区 6,090円
○住民の声
「一月あたり1万円ちょっと要ります。」
水に恵まれた町なのに、なぜ水道料金がこんなに高いのか?
大山崎町では古くから地下水をくみ上げ水道水にしていたが、
水道需要が増えることに備え、
8年前から約40km離れた日吉ダムを水源とする水を買っている。
ダムの建設費や維持費を一部負担するため、年間約2億5,000万円にのぼる。
○京都府大山崎町・真鍋宗平町長
「そもそも水がダムから来てますから、
ダムの建設費がカウントされてその結果として、高い水道代になる。」
もう一つ不思議なことがある。
「名水の里」大山崎町には地下水だけでなく豊かな川が流れている。
なぜこの川から水を取らないのか?
○真鍋町長
「よくそういう声は来ます。しかし水利権はそう単純でない。」
水利権とは、国など管理者の許可を得て水を利用する権利で、
一日に取水できる最大量が決まっている。
大山崎町は、この水利権を全く持っていないため、川から水が取れないのだ。
水道料金高騰におびえる街
ダム建設と直結する水利権が今、日本の行政の大きな問題に浮上している。
淀川の源流、木津川が流れる三重県伊賀市。
伊賀市の上野地区では現在、
木津川から水道用に一日約7,300トンを取水しているが、
これは上流に建設予定の川上ダム建設(総事業費約1,200億円)への
参加を条件に暫定的に認められているものだ。
ダムが完成すると、
伊賀市は木津川から一日3万トン近い水を取れるようになるが、
負担は130億円前後になるとの見通しも出ていて、
大山崎町以上に水道料金が跳ね上がる可能性が出ている。
○NPO法人「伊賀・水と緑の会」・浜田不二子さん
「みんなそういう風に決まったら渋々出すんですかねぇ。
目の前にきれいな水が流れているのに。」
○同・小原善弘さん
「(淀川の)源流の町で水が足らないというのは考えられない。」
実はダムを造らなくても伊賀市が足りない水利権を確保する方法がある。
他の自治体が持つ水利権を譲ってもらう手があるのだ。
三重県伊賀市の隣、名張市にある青連寺ダム。
大阪市が年間9,000万円の維持管理費などを払って
このダムに水利権(9万トン/日)を持っているのだ。
大阪市の水道の使用量は1970年をピークに減り続け、
最近は毎日100万トン近い水余り状態が続いている。
理由は、節水意識の浸透と節水機器の普及だ。
トイレもこの10年で節水が進んだ。
○電器店の店員
「10年前のトイレは1回流すたびに13リットルの水が流れていました。
超節水トイレは一回流す量が半分以下の6リットルになります。」
このため大阪市水道局では、
最も水需要の多い夏場でも余った水を利用して
市内各地でミスト散布を行っているほどだ。
それなら、この余った大阪市の水利権を
伊賀市に譲ればいいのではないか?
そう提案しているのは、国土交通省の諮問機関「淀川水系流域委員会」だ。
○淀川水系流域委員会・宮本博司委員長
「(大阪市で)億の単位の維持費が使われているわけですね。
それを少しでも軽減するということもあるんで。」
委員会の提案によると、大阪市は
青連寺ダムに持つ一日9万トンの水利権のうち3万トンを伊賀市に譲る。
その代わり伊賀市は大阪市が負担している9,000万円の
維持管理費の一部を払うというものだ。大阪市は負担が減り、
伊賀市も安く水を手に入れることができる。
この提案に伊賀市長は…
○伊賀市・今岡睦之市長
「どこの水でなくてはならないとか、そんなんこだわってないですよ。」
そこで委員会は2008年2月、大阪市の平松市長に会い直談判した。
○宮本委員長
「大阪市が琵琶湖、淀川で持ってる水利権。
これはかなり余裕があることはあるんです。
大阪市にとってもメリットある、
伊賀市にとってもメリットある、ということであれば、
我々が最終的に決めることじゃないですけど検討される余地はあるんじゃないか。」
○大阪市・平松邦夫市長
「もちろん…」
○大阪市の水道担当者
「あの私たち水道事業管理者としてね…」
突然、話に割り込んできた大阪市の水道担当者。
あくまで水利権は譲れない、とかたくなな姿勢を示す。
○大阪市水道局・近藤明男局長(当時)
「これから街作り、環境の問題を考えますと、
やっぱり今の水利権そのものは必要だ、というのが
私の、元水道事業管理者としての気持ちです。」
○宮本委員長
「今までの考え方もある程度柔軟に変えないと。
全部大阪市民の問題ですよね。
大阪市役所というのでなく、
大阪市民の立場でお考えされる余地はないのかな?と。」
○平松市長
「水をどうやって安定的に供給すべきかということだけを
考えてきた職員の意見は、やっぱり私にとって非常に大事なものですから。」
徒労に終わった感もある直談判。
大阪市は1%の水利権も譲る考えはないようだ。
○大阪市水道局・速見義一部長(当時)
「これからいろいろな大阪の街の活性化、
そういったものに水は非常に大事な要素ですので、
大阪市としては市民の貴重な財産である経済的な水利権を
自ら手放すということはありません。」
毎日100万トン近い水利権を余らせながら、
なぜわずかな水利権も他の自治体に譲れないのだろうか?
「脱ダム宣言」の田中康夫氏は…
○新党日本・田中康夫代表
「つまり子供が使ってないおもちゃを従兄弟にあげましょうよ、と言うと
『嫌だ』と急に愛おしくなるのと同じような具合でしょ。
なんか自分たちの既得権を侵されると思ってる。
でも実際に使ってないんだから。
その裏で、シメシメ、だからダム造らなきゃ、ウッシッシという人たちがいる。」
もし大阪市が水利権を譲り伊賀市が
新たなダムからの取水を必要としなければ、
川上ダムを造る根拠がなくなってしまうとの指摘もある。
○宮本委員長
「もし全量、(川上ダムの)利水は必要ないということになれば、
水資源機構が川上ダムを造るという法的な根拠はなくなります。」
○記者
「計画は大幅に変更しなければならないのか?」
○宮本委員長
「そういうことになります。」
そうした事情もあってか、
国土交通省は大阪市と伊賀市の水利権のやりとりには否定的だ。
○国土交通省近畿地方整備局・井上智夫河川調査官
「今すぐに水源を転用するということは適切ではないと考えている。
現時点では大阪市も水源を転用する考えがないと聞いていますし。」
許可権限を持ちながら水利権の調整には動かない国土交通省。
元東京都職員でダム問題に詳しい嶋津暉之さんは、
権限の集中がダムを生んでいると指摘する。
○水源開発問題全国連絡会・嶋津暉之さん
「水利権(の許可)を国交省だけで全部判断するということを
変えなければダメです。
もっと合理的に柔軟に水利権の許可、評価をしなければならない。」
たとえば50年以上前から計画され、
総事業費が史上最高の4,600億円にのぼる群馬県の八ッ場ダム。
まだ着工されていないが、首都圏の自治体は
建設への参加を条件に暫定的に水利権を認められ、水道用水をとっている。
このため、もしダムからの撤退を表明すれば
この取水を止めさせられる恐れがあるため、撤退できないというのだ。
○嶋津さん
「実際は暫定水利権と言っても、
今まで何十年という取水実績があって取水はできるわけです。
できるんだけど、それを(正規の水利権として)認めない。
国交省は水利権許可権限を使って、
八ッ場ダムに参加しなきゃならないという状況を作り上げている。」
今、淀川水系流域委員会は自治体同士が
水利権の調整を行う「利水者会議」を提案している。実現すれば全国初だ。
○宮本委員長
「自治体だとか水を使っているところ、
それが一堂に会してそれぞれが今の状況を交換しあって、
ここだったらこういう風に水融通できるな、とかありえますから。
平常時からそういう会議をやったら、
もう少し合理的に水融通ができるんじゃないか。」
長きにわたってダムを生み続けた水利権。
その流れを堰き止める時期が来ているようだ。
なぜ高い!水道料金 | 報道特集NEXT
同じ町内なのに、水道料金が2倍も高い現場があった。
その現場は、静岡県・伊豆半島の玄関口、函南町(かんなみちょう)の
山の中腹に広がる住宅地。
38年前から別荘地として売り出され、今は2500棟が建ち、
約700世帯、1500人が町民として暮らしている。
住民たちは
「別荘族でたまにここに遊びに来てという生活だったら、
高くても、納得できる。
でも、ここに住んで、住民税や固定資産税も同じように払っているのに、
ほかの地域の町民より水道料金が高いのは不公平だ」
「冷たい町だなと思う」と訴えている。
この住宅地は、
町営の簡易水道(計画給水人口が101人以上5000人以下)で
基本料金(20立方メートルまで)は、
2か月で4000円、超過料金(1立方メートルにつき)も一律220円。
ところが、同じ町営の上水道(計画給水人口5001人以上)の
基本料金は1760円、超過料金も95-115円。
同じ町営の水道なのに、簡易水道は、約2・3倍も高い計算だ。
ある男性は
「2か月で1万8000円前後払っている。
毎日水をやらないといけないバラに我慢してもらっている」といい、
女性は
「洗濯機を節水タイプに替えても、安くできたのは、2か月で2000円ぐらい。
雨水をためて、花の水やりをする」と話す。
毎日、使う水道水だけに、料金の違いは、バカにならない。
同じ町営で、同じ町民が使う水道なのに、
なぜ、料金に、これほど格差があるのか。
静岡県内には、環境省の名水百選にも認定されている
柿田川湧水群があり、料金の高い水道水は、
この柿田川の水を水源にしていて、
ある住民は「名水だから、仕方がないと思っていた」という。
しかし、実は、柿田川の水は水でも、
「駿豆(すんず)水道」という県の供給水。
しかも、駿豆水道の水は、周辺のほかの市町村の水道水に使われ、
さらに、同じ函南町内で料金の安い上水道の一部にも。
名水だから、高いわけではなく、この住宅地だけが高いのだ。
水道水が高い住宅地に住む元函南町議の県会議員は、
「町が30年前、県の水を買う時に取り決めた
責任水量(水を使っても使わなくても引き取らなければいけない量)が、
高くなっている一番の理由」と分析。
当時の利用者の使用量の約10倍もの量を割り当てたというのだ。
県に払っている受水費は、昨年度約5400万円。
そんな中、配水量の5割近くが、水道管の破損などで漏水し、
たれ流し状態だが、住宅地にまでくみ上げるポンプの電気料金にも、
年間約1000万円かかるなど、受益者が負担しなければならない費用が、
かさんでいるという。
「上水道と統合するのが一番いい解決策。統合で、
特別なコストが発生することはない」と指摘する。
こうした指摘に対し、町の水道課は
水道事業は特別会計を組んで、独立採算制で事業運営されているので、
料金格差については仕方がない。
町内には、安い料金設定の町営、民営の簡易水道があり、
それらを同じ金額にするというのは大変な無理がある」と説明。
「独立採算性」の一点張りで、格差をなくす姿勢はない。
「名水」を飲んで、一息ついて、もう一度考え直す時期ではないのだろうか。
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